薄明塾は「大人だって週2時間くらい勉強しよう」
薄明塾は「勉強」を扱う「習い事」です。茶道はお茶を、書道は書を、ダンス教室はダンスを扱うように、本塾は勉強をテーマとした習い事の場です。
週に何度かジムに通ったりスポーツを楽しんだりといった運動習慣を持つ人は一定数います。しかし、そういった方でも週に1ページも本を読まない人が多く存在します。健康のために運動習慣に注意はしていますが、学習習慣にはあまり気を配りません。頭や脳は身体の司令塔であり、それもまた健康の重要要素の1つだと本塾は考えています。
薄明塾は元々、「頭ののスポーツジム」といったコンセプトで、学習習慣に着目したコミュニティでした。
日本は先進国で大人がもっとも勉強しない国です。
世界18カ国を対象とした20~69歳男女で就業している人(休職中除く)への社外学習に関する調査では、読書、研修や勉強会への参加、資格勉強、語学学習、eラーニングなどに取り組んでいる人の割合がほぼ最低の数値となっています。
日本は社外学習において「特に何もしていない」人が52.6%であり半数を越えています。これは諸外国と比べ、飛び抜けて多い数値です。
この値は東南アジア各国では5%や10%程度にとどまり、欧米諸国でも15〜20%です。経済や国力の発展はよく人口との相関性を指摘されますが、日本国民は単純に自己の能力を高めたり学習をする習慣が圧倒的に少ないことがわかっています。
出典:パーソル総合研究所 「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」, P.111, https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/global-2022.pdf
「子どもが勉強しなくなった」のは、「大人が勉強しない」からではないか?という仮説もありえるのではないでしょうか。
頭や脳を鍛えるために有効な方法は何でしょうか?
様々な研究によると、それは「新しいことを学ぶこと」にあります。脳トレなどは繰り返される作業における能率と効率が強化されるだけで、脳や脳神経細胞の増加などは起こらないことがわかっています。
ここでの注意点ですが、それは「興味のあることを学ぶこと」ではないことです。新しく「知る」ことによって、興味を持つこと、好奇心が刺激されることに意味があります。
認知の仕組み的に、
x 興味があるから知りたい
◯ 知っているから興味が持てる
が正しい順序になります。
これは当然で、野球や野球選手のことをよく知らないのに、野球をやってみたり観戦したり野球選手になりたい!という興味(欲求)は発生しません。まず「触れてみること」が最重要になります。
子供の教育においても、何に興味を持つか分からないからこそいろいろな教科や単元を扱って知っていることを増やすことがスタートになります。教育のために出来ることは「できるだけテーブルに材料を並べてあげること」です。
インターネットやSNS、データ活用の技術の発展により、私たちは「自分がすでに興味のあることをどんどん提示され、強化される」環境に生きています。しかし、それの代償として「興味のないことに触れる、挑戦する」といった環境は非常に用意しづらくなりました。
本を購入するとき、Amazonで本を検索しても関連書籍や売れ筋は目にとまります。しかし、まったく未関連のもの(興味がなく知っていない未知の領域)に触れることは中々できません。本屋で本を買う場合は、棚を移動して歩くことで意識しているかどうかに関わらずたくさんの情報が目に入ってきます。
薄明塾は、毎週違ったテーマによる講義を提供し続けることで「興味の枠を広げられる」環境を意識しています。
本塾では、一貫して「できるだけ興味のないテーマ。知らないテーマにこそ参加してください」というメッセージを発信しています。
自分の生活や環境では出会えない知に出会い、そしてそれを楽しく学べる場所、それが「勉強」を扱う習い事である薄明塾の提供内容です。
講義のテーマや得られること(執筆中)
薄明塾は学びたい大人のための私塾です。
古今東西の歴史、文化、産業、宗教、哲学、経済、倫理、国際情勢、生物学、心理学、社会科学など人間科学を講義テーマとして扱っています。
交流会や習い事などのコミュニティに求めることは大きく分けて「情報」「成長」「仲間」の3つです。
薄明塾は「人とは何かを学ぶこと(リベラルアーツ/教養諸学)」をテーマとして活動することで、学び成長しながら様々な価値観と交流できる仕組みになっています。その場限りではなく、他にはない知的好奇心を満たせる学問所です。
これまで扱ったテーマ例
薄明塾の定
- 学問によって自分と世界を知る
- 学べば学ぶほど、物事を深く知れて感動できる幅を広げ、人生を味わい尽くせる
- 太陽も雲も両方が同時にあり、薄明光線のごとき状態を目指すこと。雲の隙間から光が漏れるように、絶対はなく常に移り変わり何事も両面があるというバランス感覚を持つこと。雲ひとつ無い晴れ間でもなく、雲が陽光を覆い隠しすぎるわけでもなきよう。
薄明とは、日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の、空が薄明るい(薄暗い)時のことを差す。黎明、暁、東雲、夜明け、曙、黄昏、twilight(トワイライト)のこと。
「どちらでもない」状態こそ、学問をするうえで最上の状態だと考えてこの名をつけました。
また、薄は1文字で「ススキ」と読み、日本の秋の風物詩でもある十五夜を飾る黄金色の植物でもあります。
ススキの花言葉は「活力」「生命力」「勢い」「心が通じること」です。
ススキは日本固有の植物で、英語では japanese silver grass と書きます。古来神の依代とされていて、悪霊や災いなどから収穫物を守り、翌年の豊作を願う意味が込められています。ススキは日本人のアイデンティティのひとつと言えるかもしれません。日常の中にこそ文化や民族のルーツは控えているものですね。